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この想いは、この関係は、多分、誰にも理解されない。
「あぁ、それ去年の。また見てるんだ」
「うん、これ面白い」
後ろからまわされた腕。ずるい、同じ人間なのに、どうしてこんなに違うんだろう。身長とか。身長とか身長とか身長とか。腕も細い。二の腕。ずるい。運動しなさいって、それが無理。ふふん、どうせわがままですよーだ。
「あれ、見てたのはストーリー?」
なんて、わかってるくせに。哀愁なんて滲ませて、やっぱり演技は上手。悔しいな。でもやっぱりそんなところにまでやられてる。
抱きしめてくれる、その腕が好きです。なんて、とてもじゃないけど言えない。恥ずかしい、さすがに。
「もっといいの、いっぱいあるのに」
「知ってるよ?」
「こっち向いて」
腕を緩められる。ずるい。やっぱりずるい。無理やりにしてくれたら、拒まないのに。わかってるくせに、こういうの、得意じゃないって。
「嫌?」
「も、うぅ」
わかってます、どうせ弱いの、あなたには。お願い、なんてそんな声で言われたら。きっとあなたは分かってる、仕方ないなって私が思うこと。結局私はマリオネット。あなたの腕の中で踊る。
逆でしょ、なんて。
本当に?だったらちょっと、嬉しい。だってほら、対等だってわかるから。